(Drug war = 「薬物戦争」とも)
アメリカではじまり、今では世界規模に広がっている「薬物掃討のための戦争」のことです。これはもともとニクソン大統領時代にアメリカがマリファナの取り締まりを国を挙げて強化していった政策に端を発しています。実際に「War on Drugs」という呼び名が使われるようになったのは80年代のレーガン政権時代からで、日本の「ダメ、ゼッタイ」の元になったと思われる「Just Say No=とにかくNoと言おう」というスローガンもこのころから使われるようになりました。
ノーベル経済学賞受賞のミルトン・フリードマン氏などは最初からこの政策に反対していましたが、対薬物戦争が80年代に入って大幅にエスカレートしてくると、この政策に批判的な人が増えていきました。批判の理由としては:
- 年間約500億ドル(約5.8兆円)という多額の費用がかかっているにもかかわらず効果が上がっていない。
- アメリカ市民の自由が不必要に侵害されるケースが多い。
- 外国との摩擦が増えてきている。コカやマリファナの掃討作戦などで、中南米諸国の市民の生命や財産が脅かされ、農地が化学薬品で破壊されている。
- 犯罪組織の巨大化により、禁酒法時代さながらの腐敗が各国で進行している。
このようなことから、対薬物戦争は「薬物そのものよりも社会に大きな被害を及ぼしている」として、1998年には有識者による公開書簡 が国連アナン事務総長宛てに送られています。イギリスの政治・経済専門誌であるエコノミスト誌(The Economist)も一貫して違法薬物の合法化を提唱しています。




