
本書では、米国第一線の薬物研究者2人がマリファナに関する20の「神話」を取り上げ、科学的データを基にことごとく論破していきます。この「Marijuana Myths. Marijuana Facts」(マリファナの神話と真実[仮名])を、版元の承諾を得て全編翻訳しました。現在日本での出版を希望する出版社を探しています。
書名: Marijuana Myths. Marijuana Facts
ISBN: 0-9641568-4-9
版元: Lindesmith Center(現 Drug Policy Alliance、米国ニューヨーク)
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書評
この本は、マリファナの影響についてこれまでで最も正確に解説した本である。これは、大勢の人々が使用しているこの『薬物』そのもの、そして社会がこれをどのように規制していくべきかに関心を持つあらゆる人にとって貴重な情報源となる。
ー アンドリュー・ワイル
「Spontaneous Healing」などの著者
この本は、過去10年間に出版されたマリファナの毒性に関する著書として最も包括的なものである。内容は正確、しかもタイムリーで、実に感心させられる。何よりも重要なのが、科学的、技術的な教育を受けていない人にも理解できるように、明解に書かれているという点である。
ー ルイス・ラザーニア医師
「1982 National Academy of Sciences report on marijuana」などの著者
本書は様々な問題を提起し、あらゆる文献を包括的に、しかも読みやすいかたちでまとめ上げている。そのため、マリファナや薬物政策関連の文献として重要な役割を担っており、広範な読者層に読まれるべき本である。
ー 1998年2月25日、アメリカ医師会ジャーナル誌より
著者紹介
リン・ジマー博士
コーネル大学より社会学博士号を取得。 ニューヨーク市立大学、クイーンズ・カレッジ社会学科准教授。著書に「プレッシャー・ポイント作戦と町中での薬物取引の妨害」(ニューヨーク法律大学1987年)、「男を守る女」(シカゴ大学出版1986年)などがある。薬物乱用、薬物検査、法執行、および刑務所に関する記事や論文を多数発表。これまでに数多くの団体や組織の特別研究員を務める。
ジョン P. モーガン医師
医師であり、ニューヨーク市立大学医学部薬理学科教授、ならびにマウント・サイナイ医学校助教授。医療科学分野において、薬学、薬品毒性、医師の薬品処方慣行に関する論文を数多くの医学誌やジャーナルに発表。1996年には、薬物政策の改革への貢献を認められ、 Drug Policy FoundationよりLeDain賞を授与される。
版元 Drug Policy Alliance
Drug Policy Allianceは(アメリカの)「反麻薬戦争」政策を終結させ、常識、科学、公共保健、人権に基づく、新たな薬物政策の推進を目指す、アメリカ最大の組織である。ニューヨークを本部に、カリフォルニア、ワシントンDC、ニューメキシコ、ニュージャージーの各州に支部を持つ。
ジョージ・ソロス財団傘下の組織。最高責任者はイーサン・ネーデルマン博士。
訳者
八十孟(やそはじめ)。実務翻訳の分野で、政治経済からマーケティングや芸術に至るまで20年以上の豊富な経験を持ち、さまざまなオルターナティブな活動などに関する造詣も深い。現在カナダ、バンクーバー在住。
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本書の特徴
• 一つの「神話」に一章を割いた構成。
• データの論拠/出典に関する脚注が豊富。
• 一章平均7頁余。豊富な情報が簡潔にまとめられている。
したがって・・・
• 個別の問題がとても理解しやすい。
• 通読だけでなく、個別問題のハンドブックとしても活用できる。
• 豊富な脚注を活用して、独自リサーチの出発点とすることができる。
マリファナに関する20の「神話」:
• マリファナの有害性は科学的に証明されている。
• マリファナには薬としての効用はない。
• マリファナは中毒性が強い。
• マリファナは「ゲートウェイ」ドラッグ(他の薬物の使用へとつながる薬物)である。
• マリファナ犯罪に対する処罰は比較的軽い。
• オランダのマリファナ政策は失敗である。
• マリファナは脳細胞を破壊する。
• マリファナは無動機症候群の原因となる。
• マリファナは記憶力や認知力を損なう。
• マリファナは犯罪を誘発する。
• マリファナは男性、および女性ホルモンに悪影響を及ぼす。
• 妊娠中にマリファナを使用することは胎児に有害である。
• マリファナは免疫系を損なう。
• マリファナはタバコよりも肺に有害である。
• マリファナは体脂肪に蓄積される。
• マリファナの使用はハイウェイ事故の大きな原因の一つである。
• マリファナに関連する救急処置の事例が増えてきている。
• 今のマリファナは昔のものよりも効力が強い。
• マリファナの使用は防ぐことができる。
これらの神話をそれぞれ一章に簡潔にまとめた、20章構成。
(以下本書抜粋)
■ 第1章の「神話」
「マリファナの有害性は科学的に証明されている」
■ 真実:
「1972年『マリファナと薬物乱用に関する国家委員会(アメリカ) 』では、科学的な証拠を精査した結果、マリファナは完全に安全とはいえないものの、その危険性が過大に誇張されてきたと結論づけている。それ以来、人間、動物、そして培養細胞を対象に何千もの研究が行われてきたが、1972年の委員会調査と大きく異なる結果は得られていない。1995年、英国の医学誌『 Lancet 』は、30年に及ぶ科学的な調査研究の末に『カンナビスの喫煙は、長期に及んでも健康には有害ではない』と結論づけている」。
■ 第3章の「神話」
「マリファナは中毒性が強い」
■ 真実:
「マリファナを喫煙する人の大半は、時折吸うだけである。アメリカ人のうち、毎日、もしくはほぼ毎日マリファナを吸っている人はごく少数で、その割合は1%に満たない。また、マリファナに対する依存症が見られる者は、そのさらに数%に過ぎない。マリファナを多量に、頻繁に吸ってきた人の中には、簡単にやめられる人もいるし、薬物療法の専門家の助けを借りる人もいる。マリファナには肉体的な依存性はない。禁断症状が万一現れた場合でも、それは極めて軽度である」。
<中略>
「近ごろ、薬理学者のジャック・ヘニングフィールドとニール・ベノウィッツが、それぞれ個別の研究で、向精神作用を持つ可能性のある薬物6種類 ー カフェイン、ニコチン、アルコール、ヘロイン、コカイン、マリファナ ー の潜在的依存性に関する格付け評価を行った。その結果、両氏ともカフェインとマリファナを最も依存性の少ない薬物に格付けしている。格付けとしては、ヘニングフィールドがカフェインとマリファナを同じスコアとした一方で、ベノウィッツの調査ではマリファナのほうがカフェインよりも若干依存性が低いという評価結果だった」。
■ 第4章の「神話」
「マリファナは『ゲートウェイ』 (他の薬物使用への『入り口』となる)ドラッグである」
■ 真実:
「マリファナはハードドラッグを使用する原因とはならない。その因果関係を示そうとするゲートウェイ理論の基盤となっているは、多数出回っている薬物と、あまり出回っていない薬物との統計的な関係だが、この関係は、各薬物の使用率が変化するに伴って同じように変化していく。マリファナは今日アメリカで最も多く出回っている違法薬物である。そのため、それほど出回っていないヘロイン、コカイン、LSDなどの薬物を使用する人々が、マリファナ使用経験者である可能性は高い。一方、マリファナ使用者の大半は、他の違法薬物を一度も使用したことがない。つまり、大半の人にとってマリファナは『gateway=入り口』ドラッグではなく、『terminus=終着駅』ドラッグなのである」。
<中略>
「結論として『ゲートウェイ理論』は理論でもなんでもなく、何種類もの薬物を使用している人が、広く出回っている薬物、あまり出回っていない薬物をそれぞれ使用するに至った経緯を説明したものに過ぎない。例えば、オートバイに乗る人(それほど一般的ではない)の大半は、以前に自転車に乗った経験(ごく一般的)があるはずである。実際、オートバイに乗る人のなかで、過去に自転車に乗ったことがないという人の割合は極めて低いと考えられる。しかし、自転車に乗ることが、人にオートバイに乗るように仕向けることはなく、自転車に乗る人が増えたからといって、必ずしもオートバイに乗る人が増えるとはいえない」。
■ 第6章の「神話」
「オランダのマリファナ政策は失敗である」
■ 真実:
「オランダの薬物政策は、ヨーロッパのなかで最も罰則が緩やかである。20年以上も前から、18歳以上のオランダ市民は政府が所轄するコーヒーショップでカンナビス(マリファナやハッシシ)を購入し、使用することができる。このような政策があるからといって、カンナビスの使用は増加していない。オランダにおけるマリファナ使用率は、大半の年齢層においてアメリカと似通っているものの、若年層の使用率ではオランダのほうがアメリカを下回っている。オランダの人々は、カンナビスの使用に『ドラマチックに焦点を当てる』政策よりも『普通に受け入れる』現在の政策を圧倒的に支持している。オランダ政府では現在の政策を随時再検討の対象としているが、今のところ非犯罪化政策を変更する考えはない」。
<中略>
「(オランダの)このような現実的なカンナビス政策は、マリファナ使用の爆発的な増加にはつながっていない。1970年代、オランダにおけるマリファナ使用はアメリカと同じように増加した。今日のアメリカとオランダのマリファナ普及率は、大半の年齢層において似通っているが、若年層におけるマリファナ使用はオランダのほうが低く、オランダの7%に対して、アメリカでは約13%となっている。1994年に行われた調査によると、世界で最もマリファナが入手しやすい都市であるアムステルダムにおけるカンナビス初体験の平均年齢は20才だった。これに対してアメリカでの初体験平均年齢は16.3才となっている」。
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